沿岸地域では、ケーブルを束ねるために使っている結束バンドの選定に注意を払わなければいけません。
結束バンドなんてどれも同じだと思っている人もいますが、結束バンドの素材はナイロン・ポリプロピレン・ステンレススチールなど多彩で、素材によって性質も変わってきます。また、一口にナイロン製といっても、ナイロン66やナイロン12など色々な種類が存在します。なぜ沿岸地域では沿岸ケーブルを束ねる結束バンドに注意しなければならないのかというと、塩害が発生する可能性があるからです。
海から飛んでくる塩化ナトリウムが、塩化亜鉛になって結束バンドに染み込むと、かなりのスピードでバンドが劣化してしまうことが知られています。劣化が進むと最後はバンドが切れてしまい、束ねていたケーブルがばらけてしまうでしょう。ですから沿岸地域では、塩害に耐性をもった結束バンドを使わなければいけません。普通に売られているバンドは66ナイロン製のもので、これは塩害耐性がなく、塩化亜鉛にさらされるとたちまちのうちに劣化してしまいます。
塩害耐性をもっているのは11ナイロンや12ナイロンを素材としているものです。沿岸地域で使う場合はぜひこれらの素材でできているものを選びましょう。塩害は沿岸部だけの問題ではありません。実は冬に雪がたくさん降り積もる雪国でも起こりえます。なぜなら、融雪剤・凍結防止剤も塩害を引き起こすからです。これらの薬剤には塩化カルシウムが含まれていて、それが原因になります。
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